ローズとマリー
Rose & Marry
7.May.'05
 
 
 
 有楽町の無印良品で、やたらと元気の良いローズマリーに出会った。いくつかの花モノに憧れ、いくつかの花モノに挑み、そして幾多の敗北を喫してきた我らが園芸部は、昨今「いったい何が強いのか?」という問いかけへと、その関心が向き始めている。
 そうした部内の風潮の中、目を付けられたのがこのローズマリーである。
 
 銀座の路上で、やたらと良い香りを放ちながら、青々と、そしてワサワサと葉をのばしているそれを見た時、これは!と思ってしまったのである。二鉢を購入。その時点では、右手に持っていたのを“ローズ”、左手に持ったのを“マリー”と名付けたのだが、会計を済ませている間に、どちらが“ローズ”でどちらが“マリー”だか分からなくなってしまった。
 
 ひとまずプランターに植え替え、馴染むのを待つ。改めて、向かって右が“ローズ”で、左が“マリー”である。
 ところで、柔らかいところをさっそく料理に使っちゃったりする。
 
 数日後、落ち着いたのを見計らって、新芽のところを5pほど切り取り、ちょっと水に浸けてから無造作に土に挿す。これで根付いて増えたら愉快なことこの上ない。水に浸けながらそんな皮算用をしている間に、どちらが“ローズ”でどちらが“マリー”だか、またも分からなくなってしまった。写真奥でぼんやりしているのが、ローズその2――もしくはマリーその2――である。改めて向かって右が“ローズその2”で、左が“マリーその2”とする。私が右を先行させるのは末座からものを見る庶民の証か? 上座から見下ろすと、左の方が先行するんだっけか? なんて思っているうちに、どっちがどっちだかまたも分からなくなってしまった。
 
 これは若かりし頃、「四鏡」の順番を覚えるのに、「大根水増し(大鏡・今鏡・水鏡・増鏡)」と覚えつつ、「大根雑炊(大鏡・今鏡・増鏡・水鏡)」って覚えちゃったら一大事だ!なんて考えていたら、試験の最中にホントにどっちが正しいのか分からなくなってしまったのと、まったくもっておんなじだ。
 
 さて、“ローズ”と“マリー”、やはり元気だ。そして“ローズその2”――もしくは“マリーその2”――、青々としているところを見ると、根付きつつあるか!? いやぁ、愉快愉快。
 
 さぁ、“ローズ”と“マリー”、そして“ローズその2”――もしくは“マリーその2”――、ワサワサと行け!
 
 
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