ほほづき  すずなりぃ〜
10.Jul.'04
 
 だるま市ではだるまを買う。酉の市では熊手を買う。道東へ行ったら木彫りの熊を買う。…ほおずき市へ行ったらほおずきを買う。あれだけ宙づりにされていたら、往路に購入する気がなくとも、帰路には鉢の一つや二つを抱えていることになるだろう。
 ほおずきといえば、緑に赤い実のコントラストが美しいが、やはりそこは園芸部(リターンズ)の看板を掲げる我々、仕上がりを鑑賞するのはなんとも味気ない。せめて色づいていくその様子を観察してみたいものだ。屋台のお兄さんによれば、「下の方からだんだん色づいていくから。楽しいよぉ」。はたして本当に下の方から色づいてゆくのか。そして、それを観察するのははたして本当に楽しいのか。そんな理由から、特に青々とした鉢を入手することとした。
 
 家に持ち帰り、適当な位置に配してみると、不思議なことに、なんだか楽しい心持ちになってきた。あんなに並んでいたときには気がつかなかったけれど、室内に持ってきてみると、とても“青い”匂いがする。ほおずきはナス科だということだが、なるほど夏野菜の匂いがする。
 これらの実がだんだんと赤くなっていって、実が熟したら種を除いて笛にして…なんて考えるだけで、楽しくなっている。屋台の兄さんは真実を語っていた。決して売り口上ではなかったのだ。
 
 ところで、座右の日本国語大辞典には、「ほおずきほどな涙」という句が立項されている。大粒な涙を言うらしい。すごい大粒だ。「ほおずきほどな涙」…。そんなものを流されたら、否、浮かべられたら、その時点で謝るだろうな、私なら。
 
 さて、そんなわけでこの夏はほおずきを観察する。しかも楽しく。なお、ほおずきに水をやるときには、なぜかいつも、ジョンとポールのオブラディ・オブラダが、私の頭の中に流れるのである。なぜか。
 
 Ob-la-di ob-la-da life goes on bra! Lala how the life goes on.
 Ob-la-di ob-la-da ENGEI-BU goes on bra! Lala how the ENGEI-BU goes on.
〈オブラディ・オブラダと園芸部は続くよ〜♪〉
 
 
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