復活宣言
29.Apr.'04
 
 園芸部の活動を再開する。――すなわち、旧園芸部は、活動休止状態であったことを意味している。
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 休止状態に陥った経緯は、次に告白するが、我が園芸部は、完全解散したわけではなかった。
 その間にも、いとうせいこう氏の「ボタニカル・ライフ」(*)を熟読し、時に笑い、時に涙を流して、園芸部の活動再会へ向けての勇気――それは果敢なる挑戦――をいただき、さらにはカレル・チャペック大先生の「園芸家12ヶ月」(*)を、あらためてひもとき、「大地に植える」という、いわば当然のことに今更ながら憧れつつ、植物に対する愛情をひそかに養っていたのだ。
 
 2002年の夏、エボルブルス(エボルブルス太郎:29.Apr.'04命名)を迎えて我が園芸部は発足した。毎月1つ鉢植えの花が届くという、かなり気が利いていて素敵な贈り物に、喜々として、「毎月1つ届けられる鉢植えの花をちゃんと世話するべく、我が園芸部は立ち上げられた」のであった…。
 
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
 
 まさに「12ヶ月」の活動休止期間を経て、園芸部は復活した。しかも、地上10階のベランダにて。大地に根をはるべき植物が、はるか9階分の空間を隔てて、限られた鉢の中で根をはるのである。そんな不自然で理不尽な状況を強要する私に、彼らに対する責任がないはずがない。決意も新たに、我が園芸部は活動再開を宣言する。
 
 エボルブルスからはじめよう。そう、園芸部の創立メンバーの一人であり、私が好む花の一つであるアメリカンブルー。
 エボルブルス次郎よ、10階のベランダは多少風当たりが強いかもしれない。しかし見晴らしは良いぞ。「花台」などという気の利いたスペースも設けてある。ベランダに取り付けられた蛇口には、君と、これから増えて行くであろう君の仲間のために、専用の撒水ホースを設置してやろう。ゆけゆけ!園芸部リターンズ!
 
 
エボルブルス次郎 近影
 
*いとうせいこう:著 「ボタニカル・ライフ――植物生活」 新潮文庫 2004年
*カレル・チャペック:著 小松太郎:訳 「園芸家12ヶ月」 中公文庫 1996年改版
 
 
 
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